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王子の初恋

「僕の、いや僕とビアンカの子供なんだ。」
少年のように少し照れながら、ケリンは双子に挨拶するよう言う。2人とも母親譲りの金の髪と父親と同じ意志の強い瞳を持っていた。
「ヘンリー様、グランバニアのケリンの息子、アクアです。」
短く切ってある髪と額に光る青い宝石。長い間持ち主のなかった伝説の冠がこの少年の小さな頭に誇らしげに鎮座している。
「はじめまして、ヘンリー様。アクアの双子の妹、マリンです。」
母同様に整った顔立ちの少女。肩で切り揃えた髪は長旅を続けてきたとは思えない程美しい黄金色。華奢な体には溢れんばかりの魔力が宿っているという。アクアもマリンもまだあどけない子供だが、生まれつき持った血のせいか勇者としての風格が見える。アクアは剣技、マリンは魔術の才能を高く評価されている。
「アクア、マリン、父さんはヘンリー王と話がある。お前たちは階下で遊んでいなさい。」
「それなら、コリンズを呼びましょうか、ケリン様。」
コリンズとはヘンリーとマリアの間に誕生した王子の名である。年の頃は双子と同じ位で、城内では父親にそっくりだと専らの評判であった。
「そうだな。子供は子供どうしのほうがいいだろう。」
マリアはコリンズを呼び、双子に城を案内するように言いつけた。
「コリンズ、アクアとマリンに城を案内してくれないか?」
ケリンが声をかけると悪戯っぽい瞳で2人を眺めていた。
「オレたちもこんなことがあったな。」
ふと、ヘンリーが幼い頃を思い出して苦笑した。
つづく

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